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アルミについて

基礎知識

アルミとは比重が2.7で他の非鉄金属に比べ軽く『軽金属』と呼ばれてます。
アルミは軽い上に加工しやすく、 表面酸化させると耐食性もあり、電気・熱の良導体でもあるので用途はきわめて広範です。
またアルミの融点(約660℃)は低く、他の金属に比べると少ないエネルギーで溶かすことができます。

一般的な強度

純アルミ(1000系合金)<Al-Mn系(3000系合金)<Al-Mg系(5052系合金)<Al-Mg-Si系(6000系合金)<Al-Cu系(2000系合金)<Al-Zn-Cu系(7000系合金)

アルミ合金の特徴および用途

○:取扱いあり ×:取扱いなし △:流通品

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合金系統 合金呼称 取扱い 材料特性の概要 用途例
JIS記号 丸パイプ 角パイプ 丸棒 角棒 アングル・チャンネル
純アルミ系 A1070 × × × 加工性・表面処理性が優れ、耐食性はアルミニウム合金中最良。
強度は純アルミニウムのため低いが、純度が低くなるにつれて多少高くなる。赤外線の反射能が非常に高い。
反射板・照明器具・装飾品・溶接棒
化学工業タンク・電線等の導電材
A1050 × × × ×
A1100 × × × × × 純度99.0%以上の普通のアルミニウム。
アルマイト処理後の外観が白っぽくなる以外は上記と同じ。
台所用品・冷却フィン・キャップ
印刷板・建材・電気器具・各種容器
Al-Mg系 A5052 × × × × 中程度の強度があり、耐食性・溶接性が良い。
一般的な工作に一番向いている材料。
一般工作材料・一般機械材料
一般板金・アルミ船舶・車両・建築材
A5056 × × × × × 耐食性に優れ、切削加工による表面仕上がり、アルマイト処理性(染色性)が良い。 光学機器・通信機器部品・ファスナー
A5083 × × × × × × 溶接構造用合金。実用非熱処理合金の中で最も強度の高い溶接材料で溶接構造に適する。耐海水性・低温特性も良い。 船舶・車両・低温タンク・圧力容器
Al-Mg-Si系 A6061 × × × × × 熱処理型の耐食性合金。T6処理によりかなり高い耐力値が得られるが、溶接継手強度が劣るため、ボルト・リベット構造に主用される。 船舶・車両・陸上構造物・機械材料
A6063 × × A6061より強度は低いが、耐食性・表面処理性が良い。
押出成型品は、ほとんどこの合金が用いられる。
サッシ・建築材・ガードレール・車両
家具・電化製品・装飾品
Al-Cu系 A2011 × × × × × × 切削性の優れた快削合金で、強度は高いが、耐食性が劣る。 シャフト・光学部品・ネジ類
A2017 × × × × × ジュラルミンと呼ばれている材料。
耐食性・溶接性は劣るが、強度が高く、鍛造することも可能。
航空機部品・油圧部品
A2024 × × × × × × 超ジュラルミンと呼ばれている材料。
A2017より強度が高く、切削加工性が良い。
航空機部品・スピンドル・ボルト材
Al-Zn-Cu系 A7075 × × × × × アルミニウム合金中最高の強度を有する合金。
航空機や機械部品などに幅広く利用される極めて高強度な合金です。
但し、応力腐食割れ・耐食性には注意が必要。
航空機部品・スポーツ用品
スキー板・ストック等々

調質について

例)

A1050-H24ここを調質記号という

調質記号一覧(参考)

記号 説明
O 焼きなましにより、最も軟らかい状態になったもの
F 製造したまま(押出加工のまま)
H18 冷間加工をおこない、加工硬化させたもの(硬質)
H24 所定の値以上に加工硬化(H18)した後に、適度の熱処理によって所定の強さまで低下したモノ(1/2硬質)
H34 冷間加工を行い、更に安定化処理をしたもの(1/2硬質)
H112 展伸材においては積極的な加工硬化を加えずに、製造したままの状態で機械的性質の保証がされたもの
H114 積極的な加工硬化を加えずに、製造したままの状態で機械的性質の保証がされたもの
T3 焼き入れ後、冷間加工したもの
T4 焼き入れのみで、通常4日程度の常温放置で時効硬化したもの
T5 高温加工から急冷し、焼き戻し処理を行ったもの
T6 焼き入れ後、冷間加工したもの焼き戻し処理を行ったもの。冷間加工を行うことなく優れた強度が得られる
T8 焼き入れ後、冷間加工を行ってから焼き戻し処理をしたもの
T651 T6に引張加工をを施して、残留応力を除去したもの。加工歪みの防止に役立つ

表面処理について

アルミは元々、表面に薄い酸化皮膜を作ります。
通常生地材は、この皮膜でアルミの表面を保護し、腐食を防いでいます。
しかし、この酸化皮膜はそんなに強度がなく、壊れやすい為、アルマイト加工を施す事があります。
アルマイト加工とは、「陽極酸化皮膜」とも呼ばれ、簡単に言うと人工的に被膜を強固にしたものを言います。

アルマイトをする効果
防錆効果、美観の向上、非磁性皮膜形成、耐摩耗性や表面硬度の向上、電気絶縁性等の機能が期待されます。

アルマイトと生地の違い

アルミ合金の物理的性質

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材質記号 質別 引張強さ 耐力 耐食性 成形性 切削性 ろう付け性 アルゴン
A1050 H24 105 81 A A E A A
A1100 O 90 40 A A E A A
H24 124 105 A A D A A
A2011 T3 380 295 D C B D D
T8 405 310 D D A D D
A2017 T4 425 275 D C B D D
A2024 T3 485 345 D D B D D
T4 490 380 D D B D D
T6 - - D D B D D
T81 - - D D B D D
A5052 O 195 90 A A D C A
H34 260 215 A B C D A
H112 226 118 A B C C A
A5056 H34 299 230 B A D D A
H112 245 98 C C C D A
A5083 O 290 145 B B D D A
A6061 T6 320 280 B C C A A
T651 320 280 A C B A A
A6063 T5 185 145 A C C A A
A7075 T651 560 490 C D B D B

引張強さ・耐力:N/mm2
硬さ:ビッカース硬さ(Hv)  比重:g/cm3   溶解温度:℃  導電率:(20℃・IACS・%)  熱伝導率:(25℃・Jgs)

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